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ID | 50 |
タイトル | 720分間ぜ~んぶ丸ごと架乃ゆらBESTAVデビュー5周年記念作品最新12タイトル全コーナー収録大感謝!大放出!特大ボリュームSpecial!---9 |
説明 | |
リンク | https://al.dmm.co.jp/?lurl=https%3A%2F%2Fwww.dmm.co.jp%2Fdigital%2Fvideoa%2F-%2Fdetail%2F%3D%2Fcid%3Dofje00396%2F&af_id=pakopakopapa-998&ch=api |
タグ | |
投稿者 | tetsu |
状態 | 承認済み |
オマージュをラノベ調で書いてみた
タイトル:5年後のパンドラ
僕は今日も、5年前から続くあの純白の世界に足を踏み入れる。そこで待っているのは、今はもう会うことのできない彼女との濃厚な時間だった。
僕の名前は中村亮。普通の高校二年生だけど、5年前に世界が一変した。あの日、突然の地震に続いて全てが白く染まった。家も、学校も、空さえも。僕たちはその異変を「純白の災厄」と呼んだ。
それと同じ頃、僕の妹、涼子が姿を消した。まるで純白の世界に吸い込まれたかのように、彼女は突如として消えてしまった。彼女を取り戻すため、僕は毎日、あの純白の世界を訪れるしかなかった。
「今日も行くの? お兄ちゃん。」
メグミ、僕の親友であり、クラスメイトの彼女が僕に尋ねる。片手には部活のラケットが握られている。
「ああ、もちろん。」
彼女はいつも僕を止めようとしない。ただ、その夏の陽射しのような笑顔で見送ってくれる。それが僕にとって、どれほど心強いかは想像もつかないだろう。
僕が特定の場所に立つと、もう視界がすでに真っ白になる。その先には、何度も歩いた道が広がっている。見慣れない景色はもうどこにもない。ただ真っ白の中に、薄らと見える道筋が僕を案内してくれるだけだった。
純白の世界の中で、僕はまるで時が止まったような錯覚に陥る。時間の流れなんて感じられない。ただひたすらに歩く。それがいつ終わるのか、自分でも分からない。
「お兄ちゃん……?」
その声が耳に届くと、僕の心が躍った。こんなにも彼女の声を待ち望んでいた。それが、5年の歳月を経ても変わらない感情だった。
「涼子、君はそこにいるんだね!」
僕は声を張り上げ、その声に向かって走った。しかし、どれだけ早く走ったとしても、距離は縮まらない。彼女の姿は見えない。それでも、声がする方向に走り続けた。
「お兄ちゃん、戻ってきて……」
儚げな声に包まれると、走り続ける足が止まってしまう。そのまま膝をつけ、肩で息をしながら、眼前の景色を見つめた。やがて、目の前に現れたのは一人の少女。純白のドレスを纏った涼子が、そこに立っていた。
「涼子!」
妹はか細い笑顔を浮かべているが、その姿はどこか異様だった。彼女はその場から一歩も動かず、ただ僕に見つめられていた。
「お兄ちゃん、ごめんね。でも、私はもう……」
その言葉で、僕の心に恐怖が一気に襲いかかった。5年間の執念で探し続けた彼女が、まさか消えようとしているのか。このままでは、もう二度と会えないのかもしれない。
「そんなこと言うなよ! 涼子、お前を救いに来たんだ!」
僕の叫びにも、涼子の表情は沈んだままだった。手を伸ばせば届きそうな距離なのに、その距離が途方もなく広がっているように感じた。
「お兄ちゃん……私のこと、忘れないでね。」
純白のドレスが風に揺れ、彼女の姿が徐々に消えていく。その光景を見て、僕は何も出来ずに立ち尽くすだけだった。涼子は再び、消えてしまったのだ。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
視界が徐々に戻ると、メグミの顔が近くにあった。涙を浮かべた彼女が、心配そうに僕に言葉を投げかける。
「涼子が……またいなくなった……」
涼しげな風が僕の顔を撫でる。メグミはそっと、僕の手を握る。
「でも、お兄ちゃん。その手を離さない限り、涼子ちゃんはいつだって傍にいるよ。」
彼女の言葉は、心の奥底に響いた。涼子が見つからなかったからといって、諦めるわけにはいかない。この手がある限り、涼子を取り戻す日は必ず来る。その決意を胸に、僕は再び、あの純白の世界に挑む覚悟を決めた。
「ありがとう、メグミ。」
これからも、この腕が涼子を取り戻すまで、何度だってこの純白の世界に足を踏み入れる。それが僕の使命、そして彼女への愛だと思えるから。